
突然ですが『ファンレター』って送ったこと、ありますか?
私は今まで1度だけ送ったことがあります。
しかも『恋に恋する乙女』な十代の頃ではなく、20代の中頃に😳
それが漫画家の
📔望月花梨さん
でした。
『トーマの心臓』や長野まゆみさんの作品のような空気感

📔『純粋培養閲覧図』
という、透明で美しい響きにひかれて書店の棚から取り出し
🔸新緑の薄緑とフレームの深緑
🔸透明で儚げな男の子と女の子
タイトルのイメージ通りの表紙に魅せられて読み始めると、ストーリーも驚くほどイメージ通りでした。
物語の舞台は中学校。
『純粋培養』されているのは、子供の自分と大人の自分がまだ分離している、不安定な状態の中学生たち。
好きな子をわざと辛辣な言葉で傷つけたり、恋心からの発情に戸惑ったり。
どの子も自分の恋心をどうしていいかわからなくて。
まるで薄い氷の上に乗っているように危うい・・・
そんな子供たちの『閲覧図』で、まるで萩尾望都さんの『トーマの心臓』や長野まゆみさんの小説のような作品でした。
リアルな『少女時代特有の潔癖さ』の描写に衝撃💥

『純粋培養閲覧図』は私の心の琴線をボロンボロンかき鳴らしました。
でも、この漫画を読んでファンレターを書いたわけではありません
📔漫画『欲望バス』
に収録されている
📔『コナコナチョウチョウ』
という作品のごく小さな1コマを見て
心が震えたことを
作者さんに伝えなきゃ💥
となりました。
望月花梨さんの漫画には
🔸気が強くて意地悪な女の子
が頻繁に登場します。
自分勝手で、かなり性格が悪いのですが。
男女問わず、誰に対しても意地悪なので、いっそ読んでいて清々しいぐらいです。
『コナコナチョウチョウ』の主人公の緑子も、そんな女の子です。
ある日、緑子が学校の廊下を走っていた時のこと。
バーコードヘアの男の先生に肩がぶつかりました。
先生は当然
廊下は走っちゃいかん!
って怒るんだけど、その時に緑子がとった行動は
✔謝るでもなく
✔無視をするでもなく
イヤそうな顔をして、先生と
触れた部分をぱっぱっと手で払う
だったんです。
このシーンを見たとたん
これ、私もやってた💥!!
中学生の頃の気持ちがフラッシュバックしました。
中学時代や高校時代を描いた良い漫画や面白いマンガはたくさんあって。
外からは見えない『心の葛藤』や『思春期の揺らぎ』が見事に表現されているものも、少女まんがでは昔からの定番パターンで。
時に共感したり、羨ましくなったりしながら、大人になりました。
でもこういう、細かくて残酷な
💎少女時代特有の潔癖さの
リアルな行動
を描いた作品に出会ったことは、ありませんでした。
このシーンに未だかつてない衝撃を受けて、ファンレターを送ったというわけです。
自分の行動にも驚いたけど、お返事が返ってきたのにも驚きました😊✨
作者の望月花梨さんは、新しい作品を描かれていないようですが。
どの作品も
🔖大人と子供のはざまの揺らぎ
🔖あやふやな年代特有の残酷さ
が描かれていて、もう二度と味わえない
💎大人に隠れて何かを楽しむ
『あの感覚』を思い出させてくれる、魅力的な漫画です。
michica-books♪
『欲望バス』
毎週金曜深夜、誰もいない学校で昼間他のクラスメイトには決して見せない表情で密会する少年少女。また偶然蝋梅の木の下でその花弁を口にしたことにより、ある少女と不思議な出会いをした少年。そして自殺願望を口にする同級生に地下鉄で再開し、ある考えがひらめいた少女…。少年少女達の様々な思いを通学バスのモノローグで綴った「欲望バス」をはじめ、思春期の繊細な心の動きをリアルに描いた傑作集‼(表紙裏より)
『純粋培養閲覧図』
自己表現の下手な夜一は、愛情表現が苦手という不思議な少女と出逢い、欠点を克服。ついに従姉妹の君華に告白するが…。表題作他、学校という特異な世界で思春期を過ごす、少年少女の恋心を描いた「カルスの花園」を収録。(表紙裏より)